前回「江戸指物師」をご紹介させて頂きましたが、
今回は第二回目として「江戸鍛治師」をご紹介させて頂きたいと思います。
「江戸鍛治師」(えどかじし)
鍛治師とは金属を打って鍛え、板や線・立体などの形状に伸ばして器物を作る職人を指します。また、その技法を鍛金(たんきん)ともいいます。
江戸時代の鍛治は大きく分けますと、大鍛治、小鍛治に分けられていたそうですが、大鍛治は鑪場(たたらば。踏鞴製鉄-たたらばせいてつ-と呼ばれ世界各地で見られた初期の製鉄方法でそれを行っていた場所)で行い仕事は主に現在の製鉄を行っていたそうです。
小鍛治は刀、鎌のような刃物を作る鍛治を指します。そのほかに野鍛治(のかじ)と呼ばれる農具を作る鍛治師もいたそうです。
しかし、農具と言いましても剃刀や包丁、釘や錘(おもり)もなども含んで野鍛治と言われていました。
邦楽器業界において鍛治師が作るものにはどのような物があるでしょうか?長唄で小鍛治と言われる唄がありますが直接関係はありません。
楽器を作る為に欠かすことの出来ない工具類がございます。工具の例を少しあげますと鑿(のみ)、手斧(ちょうな)、鉋(かんな)、鋸(のこぎり)、、、、その他にも工具は多々ございます。
三味線や琴でも良い楽器を作る為には良い材料と熟練した技術がなければ作ることは出来ません。
しかし、良い道具がなければ、材料と技術があっても良い物作りは出来ないものです。熟練した技術にも良い道具というのは切っても切れない大切な存在ではないでしょうか。
現在では、邦楽器業界と同じく職人の方々は年々減少しているそうです。その為良いものを入手するのも大変難しくなって来ており、価格も高価になってきております。
三味線一丁が仕上がるまでには、複数の分野のさまざまな技術が噛み合いはじめて生まれております。
現在ではそういった伝統技術や文化も失われつつありますが、次の世代、その次の次の世代へと残すために伝統技術や文化をもっともっと大切にしていき守り続けなければいけないと強く感じました。
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