みなさんお久しぶりです。
昨年の四月に「(株)柏屋」に入社してから早一年が経ちました。
日々順調に作業をこなし、先日、無事一本目の棹を仕上げることが出来ました。職人としての道のりも前回の横浜から富士の裾野に向って、ようやく平塚辺りまで辿りついたのではないかと思います。
今回は前回の「胴の磨き」に続いて、「棹作り」の第一工程である「中木作り」についてお話しようと思います。ここからは木細工作業に入り、のみやかんな等の刃物を使うため、より注意して作業に取り組みます。
最初に加工を施す前の状態である荒木から写真①のような形に削ります。
太くなっている方が根元にあたり、中間で段差がついていて先端にかけて細くなっていて切り口は正方形に近い形になっています。
作業工程としては、まず中間の段差から先端までを切り出し、根元の部分の四面をかんなを使って仕上げ寸法まで削ります。
次に、中間から先端までは寸法を余分に残して切り出しているので、仕上げの寸法に合うようにヤスリで面をならします。
面をならしたら、先の反り返ったえびがんなというかんなを使って削ります。
仕上げ寸法まで削れたら、写真②のように中間から先端にかけて四つ角をそれぞれ削って四角い棒状から八角の棒状にします。四つ角はそれぞれ削った面の幅が均一になるようにえびがんなで削ります。
この後、先端から寸法をとり、寸法をとった部分をヤスリで削ってえぐるように凹ませ、一周つなげてくびれを作ります。
このくびれから先端にかけてをヤスリで丸い棒状に削り、写真③のようにくびれから先端にかけてはだんだん細くなるように削ります。
最後に、紙ヤスリを棒状の木にまきつけて、くびれから先端にかけてヤスリの傷をとるように削りながら整えます。
中木の場合、「棹作り」の工程の中で棹と中木をつないだ時に磨き等の仕上げを行うため、「中木作り」としては先端を丸い棒状にする所までで終了です。
余談になりますが、社員参加のお稽古では「黒田節」を習い始めました。まだまだ上手くは出来ませんが、「作る」ことと「弾く」こと両方頑張りたいと思っています。