花梨 紫檀 紅木 三味線の棹の材質には、古くから硬質な唐木(からき)が使われてきました。
主に紅木(こうき)、紫檀(したん)、花梨(かりん)です。中でも紅木は棹には最適といわれ最高級の三味線です。文字とおり深い紅色で、木質は緻密で硬く、更に「とち」といって木の表面に波形の縞模様があるのが特徴です。
色々な模様がありますが、棹全体に揃って巻かれているものが珍重されます。
今回ご紹介する「白紅木」(しろこうき)は見ためは樫に似た白木色ですが、紅木と同じような「とち」があります。
原木はサテンといって東方セイロン島で主に産出される木材だそうです。
インド産の紅木と同レベルの高級品として、通称名「白紅木」といわれているようです。木質は紅木や紫檀よりも柔らかいため、つま弾きする小唄用に適しています。
やはり「とち」がきれいに巻かれているものが好ましいです。
上面紅木張り飾り三味線
この三味線は、白紅木材の上面に紅木を張った細工加工がされています。
白紅木は柔らかい材質のため、紅木を張ることにより表面が守られます。
通常のように長く使用でき、そこだけカンベリ(棹の表面をリフレッシュする)をとったり、薄くなったら紅木を張りえることもできます。
←美しい曲線の天神
上棹/細金二本溝→
(継ぎ手にも隠れた拘りと技があります)
←下棹 細金段溝(左)
お洒落な紅木張り仮次(右)
見た目も紅木と白紅木のコントラストが美しく、演奏者の遊び心と職人の技術によって作られた逸品です。