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Vol.2

旅で出会った楽器

邦楽のルーツを感じた
<天台声明>  魚山 大原寺 「実光院」

鐘(しょう)京都大原を旅した時のこと…大原の地一帯は、魚山と呼ばれ、勝林院など天台声明の修行の地として知られている所ですが、「実光院」に立ち寄った折、こんな珍しい楽器に出会いました。鐘(しょう)という中国の楽器です。音律の基準を示す楽器だそうです。実光院は声明音楽の研鑚を積む僧院で、歴代の住職さん達がその一助として色々な楽器を収集したそうです。これ、触れるんです。嬉しくて、思わず鳴らしてみました。確かに半音づつ並んでいます。日本と中国の音名も記されています。 ちなみに前にある大きなお鈴は壱越(いちこつ)でした。音はとても静かで澄んでいていい響きがしました。調律はとても難しく中国の職人さんによるものだそうです。

鐘【鐘 chung】 (中国)中国雅楽用の体鳴楽器。青銅製で古くは音律の基準を出す楽器としても使われた。編鍾は小形の鐘を枠に2段吊り下げたもの。
(新音楽辞典 楽語より)



「天台声明」(仏教音楽)豆知識
声明には梵語(インド語)・漢語・和語で唄われるものがあり、呂曲・律曲と呼ばれる旋法によって唄われるもの、拍子のある定曲や、拍子のない序曲など、多種多様の曲がある。特に講式と呼ばれる声明は、鎌倉から室町時代にかけて発生した語り物音楽である平曲や謡曲に影響をおよぼし、さらには浄瑠璃・義太夫節・長唄・清元・などの各種の邦楽の源流であるといわれている。
(天台宗 実光院パフレットより)


古い十二律の調子笛


→こんな古い12律の調子笛もありました。




中庭



←庭園もきれいです





旅の2日目 世界遺産 真言宗「仁和寺」

御室の桜で有名な仁和寺。私が訪れた時は秋のお彼岸でした。おりしも国宝の金堂では彼岸会の法要が営まれていました。何とも厳かな読経の響きに誘われ、私もお堂の聴衆の輪の中に静かに座りました。朱の袈裟を身につけた高僧の密教の所作も美しく、お坊さん達の読経はまるで、長唄のように華やかで品のあるものでした。金堂に、にわかに差し込む日の光や、さわさわと風にさざめく木々の揺れる音などもあいまってとても幸せなひと時でした。
仁和4年(888)、宇多天皇が先帝の意思を継ぎ、仁和寺が完成。宇多天皇は、退位後、出家して仁和寺を住坊にし、真言宗教の修行に励んだそうだ。以来、明治維新まで皇子皇孫が仁和寺の門跡となり御室御所と呼ばれる所以であるそうだ。(仁和寺パンフレットより)
金堂


→法要を聴いた国宝 金堂




五重塔 



←形のいい五重塔




 
北庭



→北庭 あまりにも雅です。




旅は思いがけない出会いや発見がありますね。今回は邦楽のルーツを感じた旅となりました。
京都はいつどんな季節に行っても魅せられてしまいます。
今度はどんな旅になるでしょうか…



十二律

①日本では古くから、音階、及び12律を算出する方法がある。
これを「順八逆六」(じゅんぱちぎゃくろく)といい、中国の「三分損益法」と同じものである。順八とは、高い方へ(12律の順に高い方へ8律上がる)完全5度音程上がること、逆六とは(12律の順に低い方へ6律下がる)完全4度音程下降することを意味する。
つまり、ひとつの音から順八と逆六との両方を交互に5度上行、4度下降を繰り返す方法である。(ドソレラミシ・・・)

②12律はこの順八逆六を11回繰り返すことによって作られた音律である。それを低い順に並び替えをし、約半音程隔たった、12個の音をもつ8度音程を有する音律が出来る。
中国では16世紀末に12平均律の音名が唱えられたといわれ、日本には吉備真備が735年に唐から持ち帰った「楽書要録」によって中国の音律や音名が紹介されたそうだ。後にこれらに基づき日本独特の音律名が用いられるようになり、下表の日本十二律音名を使用している。
中国の基音は黄鐘(こうしょう)日本の基音は壱越(いちこつ)、洋楽ではD(レ)の音に酷似する。

十二律
(参考文献 筝三味線入門)